2005年03月17日

ソード・ワールド・カードRPG2の交渉ルール

 先日、RPGでの交渉について書きました。そこで、キャラクターのパラメーターを使わずにプレイヤーとゲームマスターのやり取りだけで処理するのは難しいという内容のことを述べたのですが、対話による交渉をプレイしやすくする試みも存在します。
 『ソード・ワールド・カードRPG2』の交渉ルールがそれです。「ソード・ワールド・カードRPG」というのはソード・ワールドRPGを簡略にした入門用のゲームで、それ自体は特筆するようなものではないのですが、交渉ルールに関してはなかなか興味深いものがあります。

 このルールの基本的なコンセプトを説明します。

1.プレイヤー側の交渉態度はカード化してあり、《威圧》《懐柔》《買収》といった中から交渉態度を選んでゲームマスターに提示する。

2.具体的な交渉の内容や台詞を口頭でゲームマスターに伝える。ここで迫真の演技などは必要ない。

3.ゲームマスターは、NPCの反応を決定する。交渉が成立しないときは、NPCの反応を口頭で伝えると同時に「ゲームマスター用交渉カード」から一枚を提示する。

4.数値やダイスなどは一切使用しない。ちょっとした会話や、ほぼ自動的に成功するような交渉のときにはわざわざカードを使用する必要はない。

 このルール(というかガイドライン)を使用するメリットは、類型化・パターン化によるプレイアビリティの向上です。
 《挑発》《言いくるめ》《泣き落とし》といった選択肢がカードになって目の前にあれば、とりあえずどれかを選んでやってみることはできますので、プレイヤーは「そもそも何をしたらいいか分からない」という状態に陥りにくくなります。
 また、交渉になると、ただお願いするだけとか、自分の主張を繰り返すだけ(えてして相手のメリットは考えられない)という人もたまに見かけますが、そういう人でも選択肢が明示されれば色々やってみようと思うのではないでしょうか。

 もうひとつのポイントが「ゲームマスター用交渉カード」です。PCが交渉を持ちかけたとき、ゲームマスターの返事が「相手は納得していないようだよ」というだけだったら、プレイヤーとしてはそれ以上どうしていいかわかりません。
 このルールを使うと、ゲームマスターの提示するカードから交渉不成立の原因を推測することができます。例えば、カードが《こちらの事情も察してほしい》なら、相手は自分の得るメリットが少ないと感じているので、相手にとってもっと魅力的な条件を提示することで交渉を成立できる可能性があります。しかし、カードが《信念は曲げられない》なら、相手の信念や道徳観に反することを要求しているので相手は利益では動かない、むしろ相手にとって許容範囲がどれくらいなのか見極めた上で、その範囲で交渉をまとめた方が良い、といった具合。

 こういうものは、寡聞にして似たものを見たことがありません。個性的な試みとして評価できると思います。それから、ゲームのルールに一切依存しないので、他のゲームにも流用できそうなのもいいですね。
posted by Glaurung at 01:54| Comment(4) | TrackBack(0) | その他RPG一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
交渉と説得とで分けて考えた方が良いような。
Posted by アキト at 2005年03月17日 07:53
説得も交渉の一種というのがデザイン意図のようですね。
まあ、特に不自由はないと思いますが。
Posted by Glaurung at 2005年03月18日 00:56
実は「マイキャラちゃんが熱い台詞を言ったのだから相手は改心してボクの言いなりになるはずだっ」という御仁に悩まされた経験がありましてね…。いや、これが熱血専用とかなら受けて立っても良いのですが。
とはいえ、このルールが秀逸なのは同意なのです。マンガやアニメと馴染まなさそうなのが弱いとこですけどねー。
Posted by アキト at 2005年03月18日 08:07
>実は「マイキャラちゃんが熱い台詞を言ったのだから
>相手は改心してボクの言いなりになるはずだっ」と
>いう御仁に悩まされた経験がありましてね…。

それは、何というか、まあ不運でしたね。

「熱い台詞」だったら《熱弁》になるかな。
出来ないことはないですが、あくまで色々ある選択肢の中のひとつに過ぎないのは仕方ない所でしょう。
Posted by Glaurung at 2005年03月18日 22:39
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